東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から丸4年がたった。現場では今も廃炉に向けての作業が進む。次の大きな課題は、メルトダウン(炉心溶融)した1号機~3号機の原子炉格納容器の中に溶け落ちた燃料をどう回収するかだ。廃炉・汚染水対策事業事務局は、日本や世界の団体や企業に呼びかけ、集まった実現可能な提案を公表した。
東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故から4年が過ぎた。筆者は2014年3月に引き続き、15年3月9日に現場を再び訪れた。1年ぶりに訪れた現場は、大きく変わっていた。
“タイベック”と呼ばれる防護服や3重の手袋、2重の軍足をはくのは変わらないが、前回は全面マスクだったのが今回は半面マスクに簡略化された。
今、作業に全面マスクが必要なのは水素爆発を起こした1号機~4号機の周辺で、それ以外の場所では半面マスクや防じんマスクでの作業も大丈夫になっている。
事故当時、定期点検で運転を休止していた4号機はメルトダウン(炉心溶融)を免れた。3号機からの水素流入によって建屋が水素爆発を起こしたものの、2013年11月には建屋上部に100tクレーンを内蔵した建屋カバーが設けられ、2014年12月22日に使用済み燃料プールからの燃料取り出しが完了。ひとまず安心な状態になった。また、各号機の格納容器内の温度は約15~21℃(3月2日現在)と、“冷温停止状態”で落ち着いているようだ。
これからの課題は、メルトダウンを起こした1号機~3号機の使用済み燃料棒の取り出しだ。さらに、大きく立ちはだかる課題は、メルトダウンして原子炉格納容器の底に溶け落ちた「燃料デブリ」をどう取り出すかという問題だ。