“地球丸ごと3Dデータベース”ことグーグルアース(Google Earth)は今や、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などで不可欠なツールになってきた。そのプロ版は年間399ドル払う必要があったが、1月から無料化された。建設関係者にとって朗報だが、無料サービスに依存しすぎるリスクを回避する対策も必要と言えそうだ。
グーグルアースは建設関係者にとって便利なツールだ。設計した建物や土木構造物の3Dモデルをグーグルアースの空間に置くだけで景観シミュレーションを行ったり、グーグルアースから地形のデータを抜き出してCIMソフトで地形の3Dモデルを作ったりすることが簡単にできる。
これまでは無償のグーグルアース(以下、通常版)のほか、年間399ドルが必要なグーグルアース・プロ(Google Earth Pro。以下、プロ版)があった。ところが今年1月20日から、プロ版も無料化されたのだ。
建設関係者向けの機能が充実したプロ版
プロ版は、通常版のグーグルアースに比べて、当然、機能が多い。しかも、建設関係者向けの機能が充実しているのだ。
例えば面積や周長の計算機能だ。通常版にも平面上で距離を測る機能が付いているが、プロ版は3D空間での距離を測れるほか、画面上の街区などを多角形で囲んで面積を測ったり、周長を測ったりすることができる。
グーグルアースから画面の画像を書き出す際の解像度も断然高い。通常版は横幅1000ピクセルに対し、プロ版は最大幅4800ピクセル書き出すことができる。フライトシミュレーター機能などによる視点の移動や拡大・縮小などを記録した動画もハイビジョンサイズ(1920×1080ピクセル)で保存できるのだ。
筆者も試しに無料化されたプロ版をインストールして、画像がどのくらい細かく保存できるのかを試してみた。メニューで「ファイル」→「保存」→「イメージを保存」とクリックすると、画面の上に解像度を選ぶアイコンが出てくる。確かに最大の解像度は4800×3200ピクセルとなっていた。
これで最大のMAX(4800×3200)を選んで画像を保存してみた。画面上ではあまり細かさは感じなかったが、画像のビューワーでこの画像を開き、拡大してみると人の姿さえ分かるほどだったのには驚いた。