年間399ドルが無料になったのは朗報か?

 「さすが、グーグルアース・プロは年間399ドル必要だっただけに機能が違う」と、グーグル社の“太っ腹”には感謝したい思いだ。しかし、その一方で気になったこともある。それは無料サービスならではの問題だ。

 例えば、運営会社の都合で「急にサービスが中止される」、逆にビジネスに不可欠なものとなってきたころに「急に有料化される」とか、別会社に売却されて「自由に使えなくなる」といったことが、絶対ないとは言い切れない。

 有料ソフトだと、使用料を払っているので開発者に対しても客の立場でサービスや機能などについて要求を突きつける発言権もある。だが、無料ソフトだとタダで使わせてもらっている手前、その権利がきわめて希薄になってしまう。

 BIMやCIMのユーザーなど、設計者や技術者は、無料化されたプロ版をありがたく使わせてもらえばいい。その一方で、いざというときに備えて、グーグルアースに依存しすぎない「Plan B」を準備しておいたほうがいいかもしれない。

 例えば、無料サービスとしては、Virtual Earthや、国土地理院が提供している数値地図や航空写真などの活用方法にも慣れておく、といった対策だ。

 また有料のGISや地図データサービスなどの活用にも慣れておき、仮にグーグルアースが今のように使えなくなっても事業継続が行えるように備えておく戦略も必要だろう。ただしこの場合、利用者側では対策の立てようがないリスクもある。他社の有料サービスが今後生き残れるか、という問題である。