建設業界では、若い人材がなかなか入ってこないと嘆くようになって久しい。その一方では建設業未経験の若者が既存の建設プロセスを大きく変えることを夢見て起業する例もある。一般の施主に、安く高品質な建設サービスを提供しようという日米2社の“建設ベンチャー”を直撃取材した。
インターネットやCAD、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)など、様々なITシステムが導入されたとはいえ、設計、施工の建設プロセスや商慣習は、40~50年前からさほど変わっていない。
例えば、建設業界側が業界内部の仕組みや金額などの情報を十分に公開して来なかったり、不透明な価格体系を残していたりする。
そのため、建設の知識に乏しい施主は、割高な設計料を取られているのではないかと不安を抱きがちだ。ここに目を付けたのが、東京都新宿区に本社を置くシェルフィーだ。
店舗デザイン界の“価格.com”を目指す
レストランやブティックなどの店舗や医療施設のオーナーにとって、インテリアデザインを発注するデザイン会社選びは、悩ましい問題だ。1社だけに頼んで予想外に高価な設計料を提示されることもあるし、複数社から見積もりを取るにしても、候補会社を選ぶのは難しい。
そこでシェルフィー(東京都新宿区)は、開店や改装したい店舗オーナーとインテリアデザイン会社をつなぐオンラインショールーム「SHELFY(シェルフィー)」をオープンした。
同社の代表取締役社長、呂俊輝(ロイ・シュンキ)氏は弱冠27歳の若さ。「サイト開設の狙いは、インテリアデザイン界における価格.comのようなサービスを実現すること」と呂氏は語る。
つまり、シェルフィーがオーナー側に立ってデザイン会社選びを手伝い、リーズナブルな設計料で店舗改装が行えるようにすることを目指しているのだ。