「TREND-CORE」(福井コンピュータ):設計、施工、維持管理用のCIMモデルを受け渡す

 これまでCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)用のソフトは、海外製品が主流だったが、国産のCIMソフトも登場しはじめた。

 福井コンピュータが今年1月に発売した「TREND-CORE」というソフトもその1つだ。道路や法面などの土木施工専用コマンドを標準装備し、属性情報を付加することで3DのCIMモデルをビジュアル化できる。技術者が現場で操作を行うことを想定している。

CIM用の3次元CAD「TREND-CORE」の画面(資料:福井コンピュータ)
CIM用の3次元CAD「TREND-CORE」の画面(資料:福井コンピュータ)

 まず、設計段階で作成された地形や道路の設計データを、Land-XML形式などで読み込む。このデータをもとに、「簡易モデリング機能」によって標準断面から道路の3Dモデルを作成。側溝やガードレールなどはワンクリックで配置できる。

簡易モデリング機能を使って道路を作成したところ(資料:福井コンピュータ)
簡易モデリング機能を使って道路を作成したところ(資料:福井コンピュータ)

道路設計モデルを読み込んで3Dで見たところ(資料:福井コンピュータ)
道路設計モデルを読み込んで3Dで見たところ(資料:福井コンピュータ)

 そして3Dモデルの横断面で切りながら現況図と法面のすりあわせを確認したり、埋設物の位置を確認したりできる。

 また、設計時に使った現況モデルは起工時の地形データとは食い違いがあるため、起工時の地形データに合わせて法面をすりつける「法面すりあわせ機能」も持っている。これまで現場合わせで行っていた作業を、あらかじめデータ上で行えるのだ。

任意の横断面で3Dモデルを切って道路や側溝、埋設物の位置を確認できる(資料:福井コンピュータ)
任意の横断面で3Dモデルを切って道路や側溝、埋設物の位置を確認できる(資料:福井コンピュータ)

 福井コンピュータは以前から土木施工管理システム「EX-TREND武蔵」を発売しているほか、現場での測量作業を効率化する現場端末システム「X-FIELD(クロスフィールド)」を2014年7月に、3Dレーザースキャナーで計測した点群データから地表面の3Dモデルを作る「X-POINT(クロスポイント)」を10月に発売した。

そして今回の「TREND-CORE」が加わることで、調査・設計から施工、維持管理へとデータをつなぐCIMソリューションが出来上がりつつある。

福井コンピュータのCIM関連製品の連携マップ(資料:福井コンピュータ)
福井コンピュータのCIM関連製品の連携マップ(資料:福井コンピュータ)