3Dプリンターも新たな進化へ
現在の3DプリンターはABS樹脂や石こうなど、決まった材料で全体を作るものが一般的だ。最近はチタンや鉄など金属材料を使って造形できるものも実用化されている。そして、将来は、同じ部材の中で、部位ごとに最適な合金を作り材質を変えながら造形できる3Dプリンターも登場しそうだ。
AU2014の期間中、米オートデスクは3Dプリンター業界の技術革新のため、米ヒューレット・パッカードと協業することになったと発表した。
2014年6月18日付けの当コラムの記事で、米オートデスクは3Dプリンターを使いやすくするためのオープンソフト規格(プラットフォーム)「Spark」と光造形方式の3Dプリンター「エンバー(Ember)」を開発していることをお伝えした。
「エンバー」は液体材料に光を当てて固めていく光造形方式を採用しており造形解像度が数十ミクロンと細かい。
一方、米ヒューレット・パッカードは、「HPマルチジェット・フュージョン(HP Multi Jet Fusion)」という同社の技術を生かした3Dプリンターを独自に開発中だ。
同社のインクジェットプリンター技術により造形部分ごとに色や材料の硬さ、電気伝導率などの物質特性を変えたり、大判プリンターの技術を生かして約1mの幅までを一気に造形したりできるのが特徴だ。
今回の協業で、米オートデスクの「Spark」と、米ヒューレット・パッカードの「Multi Jet Fusion」が統合され、両社は3Dプリンター関連技術の革新的な向上を目指すことになった。