米国トプコンポジショニングシステム
情報化施工の動きを見える化する「sitelink3D」

 情報化施工で使われるブルドーザーやモーターグレーダー、バックホー、ロードローラーなどの建設機械には、現在の位置がリアルタイムに分かるGNSS(全地球航法衛星システム)のほか、ブレードやバケットなどの動きを計測するセンサーが付いている。

 米国のトプコンポジショニングシステム(Topcon Positioning Systems, Inc)は、これらのリアルタイムな情報と、3Dの設計データを使って道路やダム工事などの施工管理を行うクラウドシステム「sitelink3D」を開発。米国の建設現場で展開している。

sitelink3Dを活用した施工管理業務(写真:Topcon Positioning Systems, Inc.)
sitelink3Dを活用した施工管理業務(写真:Topcon Positioning Systems, Inc.)

 sitelink3Dは、現場で作業中の建設機械やGPS測量機を持った作業員などの動きをリアルタイムに見える化し、インターネットでどこでも確認できるようにした画期的なシステムだ。

 現場を動き回る建設機械の現在位置や向きはもちろん、現場の各部分の高さが設計図に比べてどれだけ高いか低いかも分かる。時間的に盛り土や切。このほか土の量を集計して、5分ごとに進ちょく状況のグラフを作ることもできるし、様々な視点で建設機械の動きを表示したり、現場を空中やオペレーター目線でリアルタイムに把握したりもできるのだ。

現場各部分の現在の造成高さを表示した例。設計に対する高低差が色分けで示されている(資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)
現場各部分の現在の造成高さを表示した例。設計に対する高低差が色分けで示されている(資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)

5分ごとに盛り土(茶色)と切り土(青色)の量を集計し、グラフ化した例(資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)
5分ごとに盛り土(茶色)と切り土(青色)の量を集計し、グラフ化した例(資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)

空中から見た建設機械と現場の進ちょく状況(写真:Topcon Positioning Systems, Inc.)
空中から見た建設機械と現場の進ちょく状況(写真:Topcon Positioning Systems, Inc.)

オペレーターから見た現場の風景(左)とsilelink3Dのオペレーター視点で見たバーチャル映像(右)(写真・資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)
オペレーターから見た現場の風景(左)とsilelink3Dのオペレーター視点で見たバーチャル映像(右)(写真・資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)

 これら機能を駆使しながら、通信システムを使って建設機械のオペレーターと「道路の端をならしてください」「了解!」といったメッセージのやりとりができるので、現場にスピーディーな指示も出せる。

 さらに便利なのは、スマホやタブレットでも、sitelink3Dにアクセスできることだ。そのため、出張先やカフェなど、どこでも現場事務所にいるのと同じように施工管理を行える。

建設機械の運転室に設置されたモニター(左)。「道路の端をならしてください」といったメッセージのやりとりも可能(右)(写真:Topcon Positioning Systems, Inc.)
建設機械の運転室に設置されたモニター(左)。「道路の端をならしてください」といったメッセージのやりとりも可能(右)(写真:Topcon Positioning Systems, Inc.)

スマートフォンがあれば、どこでも施工管理が行える(写真・資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)
スマートフォンがあれば、どこでも施工管理が行える(写真・資料:Topcon Positioning Systems, Inc.)

 このシステムはまだ日本には上陸していないが、年内にも国内で発売される見通しだ。