東京・目黒の設計事務所、ビム・アーキテクツはミャンマーに建設される30階建てコンドミニアムの基本設計、実施設計を急ピッチで進めている。所員7人と小所帯の同社がこの仕事に参画できたのは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のおかげだ。BIMによる設計の見える化やスピーディーな設計変更、シミュレーションによる合意形成などをフルに活用して、業務を受注・遂行している。

 このミャンマーのプロジェクトは、30階建てのコンドミニアムで敷地は約4000m2、床面積は約8万6000m2という大型物件だ。日本の投資会社、A社が施主となっている。

 A社は大阪でこの物件の意匠設計と構造設計に興味のある設計事務所を呼び、それぞれ個別にヒアリングを行った。競合は大手設計事務所が中心だったが、職員7人のビム・アーキテクツは気後れすることなくBIMによるスピーディーで柔軟な設計が行えることを訴求した。

コンドミニアムの原案パース。これを元に基本設計、実施設計を行っている。2017年ごろに竣工予定だ(資料:ビム・アーキテクツ)
コンドミニアムの原案パース。これを元に基本設計、実施設計を行っている。2017年ごろに竣工予定だ(資料:ビム・アーキテクツ)

 ビム・アーキテクツの山際東代表は「我々はBIMの使用を前面に打ち出した。こうした提案ができたのも、日ごろのBIMによる業務と、『Build Live(IAI日本が毎年開催している仮想BIMコンペ)』で経験した“限界への挑戦”があったからだ」と語る。