BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトのデータ互換のための標準仕様の開発などを行う国際組織、buildingSMARTの日本支部であるIAI日本は、国際標準仕様「IFC(Industry Foundation Classes)」形式のデータ互換性を高めるため、2014年度から「IFC検定」を実施する。初年度は設備設計用BIMソフトを対象に行い、次第に検定対象のソフト種類を拡大する。IFCの実用性が高まりそうだ。
異なるソフトウエア間でBIMモデルのデータを交換するための国際標準仕様「IFC」に基づいたデータを読み書きする機能は、BIMソフトには必須ともいえる。
IFCという標準仕様を使ってデータを読み書きできると、従来のように各ソフト間でそれぞれ個別のデータ交換を行うのに比べて、作業工数が削減でき、データ管理も容易になる。ソフト開発の手間も減ることになるので、ユーザー側としても開発費抑制による低価格化や開発スピードの向上による機能アップが期待できそうだ。
既にIFCによるデータ交換が実現している例もある。天空率によるボリューム検討などの企画設計を行う「TP-PLANNER」(コミュニケーションシステム)は、作成した建物の3DモデルをRevit(オートデスク)やArchiCAD(グラフィソフトジャパン)、GLOOBE(福井コンピュータアーキテクト)、Bentley Architecture(ベントレーシステムズ)といった意匠設計用BIMソフトにIFCで受け渡すことができる。
IFC形式が実務で多く使われるようになってきた一方で、課題も表面化してきた。IFCの互換性が不十分ということだ。建物のBIMモデルをAソフトからIFC形式で書き出し、Bソフトで読み込んで再度IFC形式で書き出す。それをAソフトで読み込むと、もとの建物とは似ても似つかぬものになっている――。例えばそんな問題が起きることもあるのだ。