フィンランド・ヘルシンキ市内で、スカンスカ(Skanska)が建設中の集合住宅の現場では、技術者全員のパソコンにBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Tekla Structures」がインストールされ、施工管理に使われている。建物のBIMモデルは、タブレット端末の「iPad」に入れて現場最前線でも活用。壁などの部材の多くをプレハブ化し、生産性の向上を図っている。

 スウェーデンを本拠とする大手建設会社、スカンスカ社のフィンランド法人であるスカンスカ Oy社(以下、スカンスカ・フィンランド)がヘルシンキ市内で建設中の集合住宅現場では、施工方法の検討や打ち合わせにBIMソフト「Tekla Structures」をフル活用している。

 「Tekla Structures」といえば、建物の鉄骨全体から、鉄筋やボルト1本に至るまで3Dで設計できる詳細構造用のBIMソフトとして知られる。しかし、日本での同ソフトのユーザーは、鉄骨の詳細設計や製作などに関わる専門性の高い限られた技術者が中心で、他のBIMソフトほど一般的には使われていない。

 ところが、この現場では施工管理に携わるスカンスカ・フィンランドの技術者全員のパソコンにTekla Structuresがインストールしてあるのだ。

事務所の内部。施工管理技術者全員のパソコンにTekla Structuresがインストールされている(写真:家入龍太)
事務所の内部。施工管理技術者全員のパソコンにTekla Structuresがインストールされている(写真:家入龍太)
ヘルシンキ市内で集合住宅を建設するスカンスカ・フィンランドの現場(写真:家入龍太)
ヘルシンキ市内で集合住宅を建設するスカンスカ・フィンランドの現場(写真:家入龍太)

集合住宅の全体BIMモデル(資料:Skanska Oy)
集合住宅の全体BIMモデル(資料:Skanska Oy)