地下の工房に3Dプリンターを発見

 サグラダ・ファミリアの地下には併設の博物館ある。そこには大小様々な模型が数多く展示されており、まさに“模型の殿堂”という感じだ。

地下博物館に展示された大型模型。このほか、膨大な数の模型が展示されている(写真:家入龍太)
地下博物館に展示された大型模型。このほか、膨大な数の模型が展示されている(写真:家入龍太)

 模型づくりは現在も行われている。そして、地下にある工房では、3Dプリンターが設置されていた。

 現地を訪問したのは土曜日で、しかも8月のバカンスシーズンだったため、工房内での作業は行われていなかった。

 かつては手づくりの模型や、逆さ吊り実験によって構造計算していたのが、最近は3DCADによる設計やコンピューターによる構造解析に置き換わった。これが設計や模型の製作をスピーディーアップさせ、工期の短縮にも貢献しているのだ。

サグラダ・ファミリアの地下にある工房。右端に2台の3Dプリンターを発見(写真:家入龍太)
サグラダ・ファミリアの地下にある工房。右端に2台の3Dプリンターを発見(写真:家入龍太)

作業台には3Dプリンターでつくったと思われる模型があった(写真:家入龍太)
作業台には3Dプリンターでつくったと思われる模型があった(写真:家入龍太)

 3Dプリンターでつくったと思われる模型は、「受難のファサード」側にガラスケースに入れて展示されていた。既に完成している部分は茶色で、これからつくる部分は白色で色を分けて造形されており、工事の進ちょくや完成後のイメージがよく分かるようになっている。

 これを見ると、現在、完成している塔だけで相当高いが、今後、つくられる中央の塔はさらに巨大なものになることが分かる。

「受難のファサード」側に展示されている模型。茶色の部分が完成済み、白色の部分がこれから建設する部分を示す。完成すると中央部にはさらに巨大なイエス・キリストの塔が立つことが分かる(写真:家入龍太)
「受難のファサード」側に展示されている模型。茶色の部分が完成済み、白色の部分がこれから建設する部分を示す。完成すると中央部にはさらに巨大なイエス・キリストの塔が立つことが分かる(写真:家入龍太)

「受難のファサード」側の施工状況。中央に最も高いイエス・キリスト塔が建設されると建物のイメージはさらに変わるだろう(写真:家入龍太)
「受難のファサード」側の施工状況。中央に最も高いイエス・キリスト塔が建設されると建物のイメージはさらに変わるだろう(写真:家入龍太)