清水建設シンガポール事務所はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用に4年がかりで取り組んできた。これまでは部分的な活用だったが、2014年から、大規模複合施設「MBC2」の建設に、意匠、構造、設備を連動させた「フルBIM」を導入した。

 シンガポールで建設中の複合施設「メープルツリー・ビジネス・シティー2」(以下、MBC2)は、敷地面積約4万3000m3、延べ面積約24万5000m2の大規模プロジェクトだ。この施設の施工を担当する清水建設は、施工段階における意匠、構造、設備の設計をすべてBIMで行う「フルBIM」を導入し、わずか26カ月という短工期での完成を目指している。

 約900人が所属する清水建設シンガポール事務所では、4年前からBIM活用の取り組みを進めてきた。病院やコンドミニアムなどの建設プロジェクトで、CGによるデザイン検討や干渉チェック、部材の数量計算など、着実にBIM活用の経験を積み上げてきた。MBC2はその集大成とも言えるプロジェクトだ。

清水建設がシンガポールで建設中のMBC2のCGパース(資料:清水建設)
清水建設がシンガポールで建設中のMBC2のCGパース(資料:清水建設)

MBC2のBIMモデル(資料:清水建設)
MBC2のBIMモデル(資料:清水建設)

清水建設シンガポール事務所の様子(写真:家入龍太)
清水建設シンガポール事務所の様子(写真:家入龍太)