生産性を高めるタブレット用ホルダー、富士通グループ2社
タブレットは維持管理の現場でも今後、導入が進みそうだ。富士通マーケティングと富士通システムズ・イーストは、今後、中小企業向けに約20の業種に対応したクラウドサービスを開発していく。
その第一弾として4月から提供を開始したのがタブレットを使ってビルやマンションの点検情報を管理する「AZCLOUD SaaS 設備点検」だ。
現場でタブレットを用いて点検に必要な情報を簡単に取り出し、その場で現場写真や点検結果などを入力することで、リアルタイムに情報共有したり、報告書を自動作成したりできるものだ。今後、3年間で200社、7000IDの販売を目指している。
富士通システムズ・イーストはこのシステムを現場で使いやすくするため、タブレット用のホルダーを独自に開発した。データ入力時には胸の前にバンドで保持し、写真撮影はホルダーにはめたまま行える。移動時には背中にタブレットを回し、背負うようにしてはしごなどを登れるようにした。
このホルダーの開発に当たっては、現場でのタブレット活用の機能性にこだわり、富士通を通じて特許出願を行ったほどだ。
水やほこりなどへの対策が気にったが、ビルの維持管理などの現場ではあまり問題にならないようだ。一方、建設現場でタブレットを使うとなると、海岸や河川などの工事などでは特に、防水や防塵などの備えが必要だろう。こうした用途にタブレットを使うための様々な防水ケースも市販されている。
タブレットは現場最前線での業務効率化ツールとしてこれからさらに増えていきそうだ。また、日本ではほとんどの地域でブロードバンドが整備され、建設現場を含めたクラウドシステムが使える環境が整っているので、タブレットとクラウドを組み合わせて、一層の効率化も進んでいくだろう。
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<訂正>初出時、京都大学防災研究所の千木良教授の氏名を「千木良雅」と記していましたが「千木良雅弘」に訂正しました。(2014年6月17日14時05分)