UAVによる撮影で橋梁を3Dモデル化

 UAV(無人飛行体)を構造物の維持管理に使う取り組みは、2014年1月15日付けの当コラム記事で紹介したネクスコ東日本エンジニアリングの「全自動ロボット型空中俯瞰(ふかん)撮影システム S-AIS」など、様々な企業や機関で行われている。パシフィックコンサルタンツの場合、UAVで撮影した写真を基に、構造物の3Dモデルを自動作成し、損傷箇所の状態を3次元的に把握できるのが特徴だ。

 構造物の周囲から、いろいろな視点や角度で構造物の写真を撮り、専用のソフトウエアで画像解析することにより、3Dレーザースキャナーで計測したような点群データを作成。各点を三角形につないで面を張った「TINデータ」を作り、ここに画像のテクスチャーを張り付けていくという方法で3Dモデルを作る。

デジタルカメラを搭載して飛行するUAV(写真:パシフィックコンサルタンツ)
デジタルカメラを搭載して飛行するUAV(写真:パシフィックコンサルタンツ)

橋などの周囲から多数の写真を撮影(写真:パシフィックコンサルタンツ)
橋などの周囲から多数の写真を撮影(写真:パシフィックコンサルタンツ)

ソフトウエアによって点群データを作成(資料:パシフィックコンサルタンツ)
ソフトウエアによって点群データを作成(資料:パシフィックコンサルタンツ)

点群の各点を三角形でつなぎ面を張った「TINデータ」を作成(資料:パシフィックコンサルタンツ)
点群の各点を三角形でつなぎ面を張った「TINデータ」を作成(資料:パシフィックコンサルタンツ)

色情報を付加して3Dモデルが完成(資料:パシフィックコンサルタンツ)
色情報を付加して3Dモデルが完成(資料:パシフィックコンサルタンツ)

 0.2mm以上のひび割れを検出でき、ひび割れ幅や長さ、位置などを正確に捉え、ひび割れ図を作成できる。

 また、コンクリートのはく離部分なども3D化されているので、かぶりコンクリートがはがれた部分など、凹凸の寸法を1mm単位で測定できる。

橋桁のかぶりコンクリートのはく離部分を3Dモデル化したもの(資料:パシフィックコンサルタンツ)
橋桁のかぶりコンクリートのはく離部分を3Dモデル化したもの(資料:パシフィックコンサルタンツ)

コンクリートはく離厚さの測定。3Dモデル上で計測した寸法(左)と実測値(右)はよく一致している(資料:パシフィックコンサルタンツ)
コンクリートはく離厚さの測定。3Dモデル上で計測した寸法(左)と実測値(右)はよく一致している(資料:パシフィックコンサルタンツ)