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日経コンストラクショントップ

イエイリ建設IT戦略

ひび割れ原因も判明! 進化するICTによる維持管理

2014/03/05

トンネルや橋梁、下水道管など構造物の、ある時点での状態をいったんデータ化し、解析によって劣化箇所の発見や原因究明を行う維持管理手法が登場してきた。データ計測には3D点検車やUAV(無人飛行体)、点検ロボットも活用する。維持管理業務の効率化に役立ちそうなこうしたシステムは、これからもっと進化しそうだ。

 これまでの維持管理業務は、技術者が現場に出向いて構造物を自分自身が目視点検やハンマーによる打音調査、そして写真撮影を行うという地道な作業が中心だった。しかし、膨大な量の社会インフラを管理していくためには作業効率の面で課題も多かった。

 そこで最近、構造物の現状をデジタル写真や3Dレーザースキャナー、電磁波レーダーなどで計測し、データ化した後に、データ解析によって異常箇所を見つけたり、原因を探ったりする維持管理手法が登場してきた。これらの手法は、道路の交通規制が不要、作業のスピードアップ、そしてデータによる異常原因の解明などのメリットがある。そして、その性能は日々進化を続けている。

写真、点群、レーダーでトンネルの現状を記録

 パシフィックコンサルタンツが4月から運用を開始する新型のトンネル点検車「MIMM-R(ミーム・アール)」は、トラックに3Dレーザースキャナーやデジタルカメラ、そして電磁波レーダーを搭載している。計測検査(本社・北九州市)が画像技術、三菱電機が3Dレーザースキャナー技術、ウォールナット(本社・東京都立川市)が電磁波レーダー技術を持ち寄って共同開発したものだ。

パシフィックコンサルタンツが導入した新型のトンネル点検車「MIMM-R」。車体後部から出ているのが高性能3Dレーザースキャナー。車体上部に煙突のように見えるのが電磁波レーダー(写真:家入龍太)

 一般の車両と同じようにトンネル内を走行しながら、内壁の形状やひび割れ、そして内壁の裏側の状態を同時に計測し、データ化するものだ。そのため、従来のようにトンネル内の車線を規制することなく、維持管理の基本的なデータを取ることができる。

 車体の側面には方向を変えられるデジタルカメラとLEDライトが多数、取り付けてある。その解像度は高く、時速70kmで走行しながら毎秒30コマの写真を撮影し、幅0.2mmのひび割れを撮影できる。

トンネル内の計測のイメージ(資料:パシフィックコンサルタンツ)

 また、車体の前後には移動計測が可能な3Dレーザースキャナー(SICKレーザースキャナー)を1台ずつ搭載しているほか、最後部には毎秒200回転しながら毎秒100万点を計測できる高精度3Dレーザースキャナー(S2100レーザースキャナー)を搭載している。

 高精度3Dレーザースキャナーは、トンネル内壁の形状を3次元データとして周方向に4mmピッチで計測するため、細かい凹凸もデータから判別できる。

 デジタルカメラと3Dレーザースキャナーだけなら、前機種の「MIMM」も搭載していた。今回の「MIMM-R」には、車体の上に電磁波レーダーを搭載した。トンネルの頂部に向けて電波を発射し、その反射波を解析することで、内部の空洞や覆工コンクリートの厚さなどを計測することができる。

 時速50kmのスピードで走行しながら、トンネル内壁から60cm~1m奥くらいまでを“透視”する能力を持っている。

前機種「MIMM」の内部。ビデオレコーダーやパソコンなどが所狭しと並んでいる。新型の「MIMM-R」ではさらに最新の機器が搭載された(写真:家入龍太)

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