東京・南青山で建設中の高級マンションで、配管などが躯体を貫通する部分に「スリーブ」を入れ忘れた失敗が話題を集めている。この工事にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が導入され、きちんと運用されていたなら、このような失敗は起こることはなかっただろう。
東京・南青山で建設中の高級マンション「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」で、躯体に配管や配線が貫通する部分に開ける「スリーブ」という穴を、約600カ所も開け忘れてしまうという工事の失敗が波紋を呼んでいる(関連記事)。
この失敗により事業主の三菱地所レジデンスは販売中止と契約解除に追い込まれ、購入者に手付金を返すだけでなく、迷惑料を支払うなどの対応をとることになったと伝えられている。
今回、問題となったのは、スリーブだ。いざとなればダイヤモンドカッターなどで躯体に穴を開けたり、躯体をブレーカーではつったりすれば何とかなるというスリーブは、工事では脇役的な存在とみられがちだ。しかし、その施工ミスが600カ所にも上ったため、致命的な大失敗となってしまったのだ。
もし、この工事の施工段階でBIMが導入され、意匠、構造、設備の設計図を1つのBIMモデルで管理していたら、このような失敗はまず起こらなかっただろう。