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日経コンストラクショントップ

イエイリ建設IT戦略

現場に近づかない点検! 無人ヘリや画像処理を活用

2014/01/15

道路や河川の維持管理や運用では、これまで構造物や現場に人が近づいて点検や計測などを行うケースが多く、足場の設置必要だったり危険が伴う作業だったりした。そこで無人ヘリコプターや高性能カメラ、画像処理を活用し、人が現場に近づかずに点検作業ができるシステムが登場している。

 最近、ドラマやコマーシャルなどで、低空を自由自在な視点に移動しながら建物や人物、風景などを撮った映像を目にしたことはないだろうか。これはCGなのか、カメラクレーンで撮ったのかと不思議に思う映像だが、実際にカメラを使って撮影されているものが多いのだ。

安定して低空撮影できるマルチコプター

 この映像はいったい誰が撮影をしているのだろうか。正体は、複数の回転翼(ローター)がついた「マルチコプター」というラジコンヘリだ。機種によっては2kgのものを吊り上げる能力があり、動画撮影機能付きのデジタル1眼カメラなどを積んで、映像を撮影しているのだ。

低空から安定して動画を撮れるマルチコプター(写真:トーフナ映像)

 テレビや映画などの撮影を手がけるトーフナ映像(千葉市花見川区)は、このマルチコプターを12機も保有している。その内訳は、8ローターの機種が2機、6ローターの機種が9機、テスト用の4ローターの機種が1機だ。

6枚の回転翼を持つマルチコプター。飛行時は脚を跳ね上げて撮影の邪魔にならないようにする(写真:家入龍太)

 「マルチコプターは2年前ほどから日本に上陸し始めた。撮影時にカメラの向きなどを安定させるジャイロ装置が1年半前から登場し、高いクオリティーの動画撮影が可能になったことから、当社は本格導入を開始した」とトーフナ映像の横山一隆代表取締役は語る。

トーフナ映像の横山一隆代表取締役(写真:家入龍太)

 これらのマルチコプターは電動式だ。6ローターの機体の場合、軽自動車のバッテリー容量に匹敵する8AHのバッテリーで、出力400Wのモーター6台を駆動する。飛行時間は約5分で、高度200mくらいまで上昇して戻ってくることができる。

1台400Wの強力なモーター(左)。軽自動車用に相当する容量8AHのバッテリー(右)(写真:家入龍太)

 6つのローターを持ち、機体に搭載した超小型のジャイロセンサーで機体の姿勢を制御するため、従来のラジコンヘリに比べると驚くほどの安定性を持っている。

 機体が傾くと、ジャイロセンサーからの信号でカメラをつり下げた雲台が自動的に向きを調整するので、機体が揺れてもカメラはぶれない。マルチコプターによる撮影は、機体を操縦するパイロット役とカメラマン役の2人がコントローラーを操作して機体やカメラを制御して行う。2人のチームワークが重要だ。

 今のところテレビドラマや企業のCMなどで使う映像の撮影依頼が多いが、最近は建設業界からの依頼も増えてきた。例えば、マンションの建設前に、完成後のマンション上階の部屋から見えるであろう眺めを撮影したり、港湾の護岸工事の全景写真を撮ったりという仕事だ。

 撮影料は撮影枚数や撮影時間などによって異なるが、静止画の場合で15万~20万円、動画の場合は20万~30万円が一般的だという。

機体後部に搭載された超小型ジャイロ(左)とGPSアンテナ(右)(写真:家入龍太)

機体を急に傾けても、ジャイロによる制御でカメラの向きは変わらない(写真:家入龍太)

カメラマン用コントローラー(手前)には、上空からの映像をリアルタイムに確認できるモニターが付いている(写真:家入龍太)

 6ローターの機種は約500gまでのカメラを搭載することができるため、同社は動画撮影機能付きのミラーレス1眼カメラを搭載し、静止画やハイビジョンの動画などを撮影している。また、8ローターの機種は2kgまでのカメラを積むことができる。

 「現在のところ公道上空は許可がない限りマルチコプターを飛ばすことはできないが、工事現場や水面などの上空は問題ない」という。

家入 龍太ケンプラッツ

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