橋梁点検用の空中撮影システムも登場

 マルチコプターを使って、人がアクセスしにくい橋桁や橋脚の側面、橋桁の裏側などの写真を撮れば、維持管理のためのデータとして使えそうだ。小型の赤外線カメラを積むと、コンクリートのひび割れ調査などにも活用できるだろう。

 ネクスコ東日本エンジニアリングでは、4つのローターを持つ小型マルチコプターを活用した「全自動ロボット型空中俯瞰(ふかん)撮影システム S-AIS」を開発した。用途としては橋梁の底面や側面点検、メガソーラーなどのインフラの点検などを想定している。

 静止画・動画用のカメラや赤外線サーモグラフィーカメラなど、目的によって搭載するカメラや機器を交換することができる。

 特徴は、カメラの向きなどを操作すると、機体の位置や姿勢が連動するようにしたことだ。これまでマルチコプターでの撮影には機体の操縦とカメラの操作を行う2人の人員が必要だったが、S-AISではこれを1人で行えるようになった。

「全自動ロボット型空中俯瞰撮影システム S-AIS」(写真:家入龍太)
「全自動ロボット型空中俯瞰撮影システム S-AIS」(写真:家入龍太)

4つのローターで安定して飛行するS-AIS(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)
4つのローターで安定して飛行するS-AIS(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)

橋桁の側面や支承部の撮影例(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)
橋桁の側面や支承部の撮影例(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)

インターチェンジ全景の撮影例(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)
インターチェンジ全景の撮影例(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)

赤外線サーモグラフィーカメラで計測した高架橋の温度分布(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)
赤外線サーモグラフィーカメラで計測した高架橋の温度分布(資料:ネクスコ東日本エンジニアリング)