あのグーグルが建設業のライバルに?
イスラエルの経済紙「GLOBES」のウェブサイトが10月16日に掲載した「グーグルの技術で建設コストが半減も」(原題:Google technology could halve construction costs)という記事が、一部のBIM関係者の間で話題になっている。
その内容は、「Google X」と呼ばれるグーグルの技術開発部門が、これまでにないほどサステナブルで環境に優しい建物を建設する革命的な建設技術を開発したというものだ。設計手法やビジネスモデルについては断片的にしか報じられていないので、詳しいことは分からない。
しかし、グーグルが建設業の合理化の遅れに注目し、何らかの形で参入しようとしていることは確かなようだ。
「ジェニー(Genie)」という開発コードで呼ばれるこの技術は、建築設計者や技術者を支援するオンラインベースのシステムで、建物の計画や高度な解析、シミュレーションツールなどを備えている。特に高層ビルや大型のビルに有効なものということだ。
設計・施工プロセスを“無限の設計の選択肢”によって標準化する一方、デザインの自由度も持っているとのこと。
Google Xの試算によるとこの手法を導入することで一般的な建設手法に比べてコストを30~50%削減でき、計画段階を含めた工期を30~60%短縮できる、と同紙の記事は伝えている。
Google Xのチームがプロトタイプを建設し、米国の大手建設会社や大規模ビルのデベロッパー、最先端の建設技術者、そしてトップクラスの建築家と面会し、説明した結果、彼らは「熱狂的な反応を示した」としている。
この手法のプラットフォームの運営によって、グーグルには1年間に1200億ドル(約12兆円)もの収入をもたらすそうだ。
ジェニーはプロトタイプの開発が終わったため、Google Xから独立し、今後は米国・デラウエアに設立された「バネバー・テクノロジー(Vannevar Technology Inc.)」という会社で、さらに開発を続けているという。
グーグル社はこれまで、自動車の自動運転技術の開発などでも注目を集めてきたが、ついに巨大な建設市場もターゲットにしようとしているのだろうか。