シナリオごとのエネルギー解析結果をGIS上で比較

オーヌマ氏らが提案したのは、次のような方法だ。

 まず、SWエコディストリクト内の建物改修や緑化計画などのシナリオごとに各建物を概略設計し、エネルギー使用量を予測する。そして建物の高さや分布、緑地の分布などに基づき、様々なエネルギー解析を行う。

 その結果をGIS上にまとめて、地区全体のエネルギー使用量やCO2排出量を求め、比較する、というものだ。

既存のビルごとにエネルギー解析を行った結果(資料:ESRI)
既存のビルごとにエネルギー解析を行った結果(資料:ESRI)

地区内のビルすべてのエネルギー解析結果をまとめる(資料:Onuma System)
地区内のビルすべてのエネルギー解析結果をまとめる(資料:Onuma System)

GIS上に配置した建物のBIMモデル上にエネルギー解析結果をひも付け、色分けして表示する(資料:Onuma System, Google Earth)
GIS上に配置した建物のBIMモデル上にエネルギー解析結果をひも付け、色分けして表示する(資料:Onuma System, Google Earth)

GIS上に配置するBIMモデルの例(資料:Onuma System, SketchUp, Revit)
GIS上に配置するBIMモデルの例(資料:Onuma System, SketchUp, Revit)

 ここでGISの役割は(1)ばらばらのデータを一つにまとめること、(2)データを分かりやすく可視化すること、(3)データ集計などの自動処理、(4)ネットなどによる幅広い公開機能、そして(5)情報を簡潔にまとめることだ。

 GISのデータ処理機能を使って、エネルギー使用量での比較、エネルギー使用量の削減率による比較、建設コストを加味した場合の比較など、各シナリオの長所・短所を様々な観点から検証できる。

既存ビルの改修計画シナリオごとにエネルギー使用度などをGIS上に表示し、比較検討する(資料:ESRI)
既存ビルの改修計画シナリオごとにエネルギー使用度などをGIS上に表示し、比較検討する(資料:ESRI)

地区内にあるすべての建物のエネルギー使用度などを集計した表も自動作成できる(資料:Onuma System, Google Earth)
地区内にあるすべての建物のエネルギー使用度などを集計した表も自動作成できる(資料:Onuma System, Google Earth)