BIMとGISを連係しエネルギー解析

 まず計画に先立って、既存のビルのエネルギー使用度(EUI)を調べた。エネルギー使用度とは、1年間に建物が消費するエネルギー使用量(kBtu)を床面積(平方フィート)で割ったものだ。

 そのデータをGIS上に配置した建物のモデルにインプットし、立体グラフ化した。こうすると、地区内でのエネルギー使用量分布や全体のレベルが可視化される。建物の外観を3Dデザインソフトなどでリアルに作り、エネルギー使用量のグラフを半透明にして重ねると、街の外観とエネルギー使用量が同時に可視化されて分かりやすくなる。

GIS上に建物のBIMモデルとエネルギー使用度を重ねて表示したもの(資料:ESRI with data from Onuma)
GIS上に建物のBIMモデルとエネルギー使用度を重ねて表示したもの(資料:ESRI with data from Onuma)

 これをスタートラインとして、都市や建物の改修計画によってエネルギー使用量がどう変わるかを見ながら、街づくり計画を進めていこうというのだ。

 今回の試行では、エネルギー解析にオートデスクの「Vasari BIM Energy Modeling」、GISにESRIの「ArcGIS」、建物モデリングに「SketchUp」、そして建物の概要計画の作成に「Onuma Planning System」をそれぞれ使用した。