かたくなな「非使用者」も増加傾向に
いまや少数派となった非使用者だが、BIMを使わない理由は「施主や他社からBIMの使用を要求されない」が78%とトップだった。以下、「ソフトが高価すぎる」(57%)、「ハードが高価すぎる」(47%)と、経済的な理由が上位にきた。6位には「これまでのやり方の方がよい」が34%と、2009年の17%に比べて倍増していることが注目される。
非使用者のBIMについての取り組みについて聞いた設問では、まだ試用や評価もしていないという回答者もいる半面、BIMの使用経験やBIMへの理解があるにもかかわらず、あえて使わないというかたくなな非使用者も増加している。
非使用者のうち「BIMがどんなものを知っているが導入する気はない」(26%)と、「以前使ったことがあるが、二度と使わないと決めた」(4%)を合わせると非使用者のうち30%が「かたくなな非使用者」ということになる。
以上がスティーブ・ジョーンズ氏の講演の概要だ。一番のポイントは、北米では設計者よりも施工者の方がより強くBIMのメリットを感じるようになりつつあるということだろう。BIMが使われ出した2007年から2012年の5年間で施工者への導入率が急激に進んだ結果だといえる。北米の建設業界では、BIMの活用が新しい段階に入ってきているなと感じた。
その一方、BIMを経験した後であえて既存の設計方法に戻る元ユーザーが少数ながらいるというのも興味深い。これはBIMが建設業界の中で成熟し、BIMに対する見方や取り組み方が多様化しつつあることを物語っているのかもしれない。
家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/。ツイッターやfacebookでも発言している。