施工チームは毎日BIMモデルを更新

  一方、施工チームも、施工図の作成や工程管理などの施工管理業務用にさらに詳細なBIMモデルを作成している。その特徴は、工事計画に合わせて日々のBIMモデルをあらかじめ用意していることだ。

 そうすることで、将来のある日、工事現場がどのような状況になっているのかを3次元で確認できるようになっている。また、このBIMモデルは実際の工事進ちょくに合わせて毎日修正され、施工計画と実行分の管理にも使われている。

施工管理者がiPadには詳細なBIMモデルが入っている(写真:家入龍太)
施工管理者がiPadには詳細なBIMモデルが入っている(写真:家入龍太)

 工事現場ではホテルのすぐ脇に2基のタワークレーンが立っており、施工上、中核的な役割を果たしている。

 ホテルは下から上に広がる翼のような形をしているため、上階部分が造られると、その下の階にはクレーンで資材を運びにくくなる。そこでBIMモデルによってクレーンの作業範囲を確認しながら、施工計画が立てられている。

2基のタワークレーンが施工の中心的役割を果たしている(写真:家入龍太)
2基のタワークレーンが施工の中心的役割を果たしている(写真:家入龍太)

 駅舎部分は周囲の地盤を深く掘り込んだ構造になっているため、地盤面の傾斜が厳しい。また、ホテル棟の両側には橋梁ある。トラッククレーンなど重機をホテル棟の反対側に搬入するための進入路をつくる時も、傾斜した地盤の高度や橋梁との干渉を考慮しながら計画する必要がある。そんな場合に3次元のBIMモデルは検討が行いやすい。

空港内の地形は高低差があり、重機の進入路の検討などは3次元的に行う必要がある(写真:家入龍太)
空港内の地形は高低差があり、重機の進入路の検討などは3次元的に行う必要がある(写真:家入龍太)