ポイント2:組織的活用――CIMマネジャーの具体像や必要性を指摘

 期待されるCIMの効果、CIMによる技術的目標に続き、報告書で3番目に挙げられているのが「CIMマネジャーの重要性」だ。

 小規模な建築設計事務所がBIMを導入する場合、極端に言えば一人でもBIMソフトを使って設計案の効果的なプレゼンテーションや図面作成の効率化などに役立てることができる。

 一方、土木インフラのプロジェクトでは、すべてを一人でこなすことはまずあり得ない。設計案を基に多くのプロジェクト関係者がCIMモデルを確認しながら意見交換し、設計案にまとめていくため、組織的なCIM活用の視点が欠かせない。そこで、CIMモデルを基にプロジェクト関係者の意見をとりまとめていくCIMマネジャーの役割が重要としている。

CIMマネジャーの役割イメージ(資料:JACIC)
CIMマネジャーの役割イメージ(資料:JACIC)

 日本でBIMマネジャーの必要性が叫ばれ始めたのは2012年になってからだ。日本建築家協会(JIA)の「BIMガイドライン」に記述された。BIMを組織的に活用することが増えて、初めて具体像が提案されたとも言える。

 CIM技術検討会では、組織でのBIM活用に欠かせないBIMマネジャーの役割を土木インフラ分野の業務に置き換えて、普及当初の段階からCIMマネジャーの重要性を意識している点が注目される。