木組みのユニット構造から全体イメージを検討

 隈研吾建築都市設計事務所では、この分業体制によって様々なアルゴリズミックデザインの活用が行われた。

 コーヒーチェーンのスターバックス太宰府天満宮表参道店の内装は、隈研吾代表からの「木組みを斜めにしてはどうか」という意向を受け、4本の木材を斜めに交差させたユニットを組み合わせる構造にした。

 4本の木材は太さがあるので芯を微妙にずらしながら交差させる必要がある。交差のさせ方によって、全体が組み上がったときの見え方は、大きく変わってくる。この検討にグラスホッパーを使ったのだ

木材は太さがあるため一点で交差させることができない(左)。そこで芯のずらせ方をグラスホッパーで調整できるようにした(右)(資料:隈研吾建築都市設計事務所)
木材は太さがあるため一点で交差させることができない(左)。そこで芯のずらせ方をグラスホッパーで調整できるようにした(右)(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

木材の交差方法を変えながら、ユニットが組み上がった状態で全体としてどう見えるのかを同時に検討する(資料:隈研吾建築都市設計事務所)
木材の交差方法を変えながら、ユニットが組み上がった状態で全体としてどう見えるのかを同時に検討する(資料:隈研吾建築都市設計事務所)

完成したスターバックス太宰府天満宮表参道店のインテリア(写真:Masao Nishikawa)
完成したスターバックス太宰府天満宮表参道店のインテリア(写真:Masao Nishikawa)

 このプロジェクトの経験は、さらにアルゴリズムを追加開発して、木組みを垂直方向に配置した店舗のデザインにも生かした。

木組みを垂直方向に配置した店舗のファサード(資料:隈研吾建築都市設計事務所)
木組みを垂直方向に配置した店舗のファサード(資料:隈研吾建築都市設計事務所)