不動産情報を3Dで“見える化”
都市の中心部に林立する超高層ビルの3Dモデル。あるビルは全体が真っ赤に、あるビルはところどころのフロアや窓に色が付いている。これは米国のキューブ・シティーズ・グループ社(Cube Cities Group)が、グーグルアースを利用して開発した賃貸不動産の広告システムだ。
色分けは賃貸物件の種別を表す。フロア単位か一部か、建設中か計画中か、といった情報が一目で分かるのだ。
キューブ・シティーズのウェブサイトでは、2月13日現在、サンフランシスコやニューヨーク、バンクーバーなど北米16都市の賃貸物件がこのシステムによって検索できるようになっている。
最初の画面では北米全体が画面に映し出され、左側のメニューで都市や地区を選んでいくに従って、グーグルアースを使った画面が物件のある地区に向かってズームインしていく。
希望するオフィス床面積などのデータを入力すると、条件に合った物件の一覧表とともに、3Dのビル群が表示される。空いているオフィスが、どの位置にあり、何階なのかが視覚的に分かりやすいのが特徴だ。
試しに、あるビルの窓をクリックすると、その物件の床面積や賃料、オーナー、不動産会社の連絡先などが表示される。この画面に目の形をしたアイコンがある。これをクリックすると、なんと、そのオフィス内の窓からの視点に切り替わったのだ。まるで、その物件を見学に行って街並みを見下ろしているかのようだ。
キューブ・シティーズのサービスでは、物件情報を30日単位で掲載する仕組みになっている。また、カナダの不動産情報会社、アルタス・インサイト社(Altus InSite)もこのシステムを導入し、バンクーバーやカルガリー、トロントの不動産物件情報を3Dモデルで検索できるサービスを提供している。
高層ビルが立ち並ぶ都市では、地図上に「ピン」を立てて物件の位置を表示すると、ピン同士が重なり合ってしまい、ほとんど役に立たなくなってしまうことが多い。グーグルアースを利用した3Dモデルによる物件の表示は、街中にどんな物件があるのかを分かりやすく“見える化”できるので、賃貸物件の強力なセールスツールになりそうだ。