「土木インフラのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」とも言われるCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)が、今年、土木業界に本格的に普及していきそうだ。ソフトベンダーもCIM対応の製品・サービスや技術を相次いで開発、発売している。

 前編で解説した国交省のCIM積極推進の姿勢に呼応するように、ソフトベンダーや建設会社などによる、CIMの本格導入を先取りした製品やサービス、技術の開発・販売が活発化してきた。

 建設関連のITシステム開発などを手がける応用技術(本社:大阪市北区)は、「CIM導入支援サービス」を2012年秋に始めた。CIM導入に必要なソフトやデータ、トレーニングを含めて、200万円(税別)で提供するものだ。CIM普及に備える建設会社や建設コンサルタントなどを主なユーザー層として想定している。

 同サービスにはCIM関連のソフト一式をまとめたオートデスクの「Infrastructure Design Suite Ultimate」が付属している。このパッケージの中にはAutoCAD Civil 3DやInfrastructure Modeler、Revit Structure、Navisworks Manageなど約10本の3Dソフトが含まれている。これらのソフトを単品で別々に買うと600万円以上するものだ。

応用技術のCIM導入支援サービスに付属する「Infrastructure Design Suite Ultimate」のパッケージ(写真:家入龍太)
応用技術のCIM導入支援サービスに付属する「Infrastructure Design Suite Ultimate」のパッケージ(写真:家入龍太)

 さらにこれらのソフトを使って現況地形モデル生成から土地造成、道路・鉄道・建物の概略設計、合意形成などを行う操作方法などを教える訪問ハンズオンセミナーと、土木工事で使われる枠組足場や土留め工などのRevit用3次元モデルパーツ(ファミリ)も付いている。