「土木インフラのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」とも言われるCIMが、今年、土木業界に本格的に普及していきそうだ。CIMとは「コンストラクション・インフォメーション・モデリング」の略称で、構造物の3次元モデルをコンピューター上に構築しながら設計などを行う手法だ。2012年にはCIM推進派の佐藤直良氏が国土交通省の事務次官に就任したほか、国交省と日本建設情報総合センター(JACIC)でそれぞれCIM検討会が発足した。

 「スピード感を大切にしてCIMの推進に取り組んでいく。将来は維持管理分野の取り組みと一体化していきたい」――2013年の新年、国土交通省の佐藤直良事務次官は、同省を訪れたJACIC幹部にこう語ったという。

土木構造物の設計、施工検討にCIMを導入したイメージ(資料:中央復建コンサルタンツ)
土木構造物の設計、施工検討にCIMを導入したイメージ(資料:中央復建コンサルタンツ)

 CIMによって設計内容を誰にでも分かりやすく表現できるようにし、CIMデータを構造解析や景観・環境などのシミュレーション、施工方法の検討、そして維持管理に使っていけるようにする。そのための体制を国交省としてスピーディーに整備する。新年早々、CIM への期待を口にした佐藤氏の言葉からは、そんなビジョンが伝わってくる。