ベトナムの首都ハノイの中心部とノイバイ国際空港を結ぶ道路橋として「ニャッタン橋」の工事が進んでいる。長さ1500m、幅35.6mという世界最大級の斜張橋を含む橋長3080mの橋梁だ。橋桁の製作するIHIインフラストラクチャー・アジア(IHI INFRASTRUCTURE ASIA。以下、IIA)は、ベトナムで“日本同等品質”のものづくりを実現している。


 ベトナムでは、日本からの政府開発援助(ODA)によって様々な社会インフラが整備されている。ニャッタン橋もその1つだ。現場では、斜張橋の主塔が橋桁付近まで立ち上がり、橋桁の架設が始まっている。発注者はベトナム運輸省傘下の第85プロジェクト管理委員会(PMU85)で、IHIインフラシステム(IHI INFRASTRUCTURE SYSTEM。以下、IIS)と三井住友建設のJVが施工を担う。IIAはIISとともに橋桁の製作を手掛ける。

 ハノイの東、約100kmのハイフォン市にあるIIAの工場を筆者が訪れた2012年10月中旬、ニャッタン橋の橋桁製作は終盤を迎えていた。

ニャッタン橋の主要部となる全長1500mの斜張橋の完成イメージ(資料:IIA)
ニャッタン橋の主要部となる全長1500mの斜張橋の完成イメージ(資料:IIA)

斜張橋の施工現場では主塔がかなり立ち上がり、橋桁の架設が始まっている(写真:IIA)
斜張橋の施工現場では主塔がかなり立ち上がり、橋桁の架設が始まっている(写真:IIA)