円高による採算性の悪化で、日本に工場を持つ重工メーカーが海外の鉄骨工事から次々と撤退している。ここに着目して、タイの鉄骨メーカーであるSTP&I社と日本企業を取り持つ事業を始めたのが泰エンジニアリングだ。海外製作に経験のない建設会社も、同社を窓口として活用することで海外生産を行ってコストダウンを図ることが可能だ。


 タイの首都、バンコクからクルマで約1時間のところにあるSTP&I社(STP&I Public Company)のチョンブリ工場。工場内にはタイ人をはじめ、周辺各国から集まった労働者が、溶接機やグラインダーの火花を散らしながら,黙々と作業に取り組んでいた。

 鋼管の接合部を正確に切断するのはCNC(コンピューター数値制御)切断機だ。10月14日付けの記事で紹介したシンガボールのヨンナム社と同様に、鉄骨製作には詳細設計用BIMソフト「TeklaStructures」などを駆使し、加工図の作成や鉄骨切断用のデータを作成し、複雑な加工を行っているのだ。

タイ・チョンブリにあるSTP&I社の工場(写真:家入龍太)

TeklaStructuresなどで鉄骨製作のための詳細設計を行うSTP&I社のスタッフ(写真:家入龍太)