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イエイリ建設IT戦略

防災から観光、給電まで! EVと連携するインフラ

2012/03/07

EV
充電
ワイヤレス給電
電気自動車
スマートハウス
バッテリー
非常用電源

電気自動車(EV)は、車体に搭載されているバッテリーに一般家庭1〜2日分の電力使用量に相当する電力を蓄えることができる。従来の自動車にはなかったの特徴の一つだ。このバッテリーを生かして、EVと建物などを連携させる新しいインフラ整備が始まった。ケーブルを使わずに充電できるワイヤレス給電の技術も開発されつつある。建設業にとっても新しいビジネスチャンスになりそうだ。


 東日本大震災による電力不足をきっかけに、住宅分野では、電気自動車(EV)のバッテリーを建物の電源系統と連携させて、非常用電源やピーク電力削減の蓄電装置として活用する「スマートハウス」の発売が相次いでいる。こうしたEVと建物との連携は、オフィスビルでも進んできた。

日産リーフから複合ビルの広場に電力を供給

 住友不動産と日産自動車は、2011年12月にオープンした東京・新宿の複合開発ビル、住友不動産新宿グランドタワー(延べ床面積約18万m2、地上40階、地下3階)では、日産自動車のEV「日産リーフ」のバッテリーを非常用電源とするシステムを、2012年3月から導入する。両社の発表によると、複合開発のビルでEVを非常用電源に使うのは日本で初めてとのことだ。

 住友不動産新宿グランドタワーでは、多目的ホールや広場を災害時の地域防災拠点として位置づけている。大規模な地震などが起こったとき、広場には仮設トイレ、非常用井戸を設置し、多目的ホールは帰宅困難者の一時避難場所として開放する。ここにEVから電源を供給する。

 同ビルが導入するシステムは、2台の日産リーフをビルの非常用発電機の補助電源として使用する。1台はビル内の多目的ホールの仮設照明や携帯電話の充電器に、もう1台は災害用設備の井戸ポンプや浄水器に電源を供給する。日産リーフには24kWhの大容量バッテリーが搭載されている。この蓄電容量は、一般家庭で使用する電力の約2日分に相当する。リーフ1台で多目的ホールに約42時間、災害用設備に約8時間、電力を供給できるという。非常時の運用は、駐車場を利用するEV所有者に協力を要請する。

日産リーフを非常用発電機と連携させて補助電源として使用する概念図(資料・写真:住友不動産、日産自動車)
住友不動産新宿グランドタワーの外観(資料・写真:住友不動産、日産自動車)
日産リーフを非常用発電機と連携させて補助電源として使用する概念図(左)と住友不動産新宿グランドタワーの外観(資料・写真:住友不動産、日産自動車)

住友不動産新宿グランドタワーの外観多目的ホールや災害用施設の配置(資料:住友不動産、日産自動車)
住友不動産新宿グランドタワーの外観多目的ホールや災害用施設の配置(資料:住友不動産、日産自動車)

 同ビルには442 台分の駐車場があり、今後、EVが増えれば、蓄電池の容量も増える。住友不動産では、同ビルの駐車場を利用するEVの所有者が、災害時の補助電源としての車載バッテリーからの電力供給に協力してくれる場合には、何らかの優遇を検討している。

 日産自動車では、EVを利用して「ゼロ・エミッション社会」を実現するため、住宅やマンション、公共施設向けの電力供給システムとして「LEAF to Home」を2011年末に発表した。今回、地域への電力供給システムとして「LEAF to Community」をラインアップに加えた。EVは環境問題の解決に貢献するだけでなく、災害時には地域の電力源としても本格的に活用される時代になってきそうだ。

EVをマンション住民でカーシェアリング


ケンプラッツ

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