BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及が進むなか、ソフトベンダー各社はBIMモデルから図面をつくるための設計手順や解析ソフトの機能、ソフトの動きやスピードなどを分かりやすく解説するため、YouTubeなどのインターネットによる動画配信の活用に力を入れている。従来の文章や写真だけでの説明では理解しにくかったことも、数分間の動画を見るだけで“一目瞭然”だ。
BIMによる設計では、建物の3次元モデルを平面、断面、立面で切断したり、投影したりして図面を作っていく。そのため、モデルづくりの段階で行き詰まってしまうと、作業がそこでストップしてしまいがちだ。
そこで、意匠設計用BIMソフト「ArchiCAD」を販売するグラフィソフトジャパンは、YouTube上に設けた自社チャンネルに、約150本の動画をアップし、ArchiCADの「動くマニュアル」として提供している。
新機能の操作方法を3分前後で解説
内容の中心は、2011年に発売した最新版「ArchiCAD 15」で盛り込まれた新機能の解説だ。このバージョンでは、断面形状から複雑な曲面をもった屋根をモデル化する「シェル」などの機能が搭載されたため、これらの新機能を解説する動画が多い。
動画ではシェルで湾曲した屋根を作ったり、天窓を配置したりといった機能の使い方を3分前後の短い動画で手順を追って説明している。まるでインストラクターが隣にいて指導してくれるような感覚だ。
シェル以外では異なる勾配が組み合わさった「複合屋根」や、二つの屋根の立体的な接合、既存建物の現状モデルと、複数の改装後のモデルを比較できる「リノベーション」などの機能も動画で分かりやすく解説されている。