動きを効果的に伝える動画

 「百聞は一見にしかず」と昔から言われているように、ものごとは人から聞いたり、文字で読んだりするよりも、実物をひと目見るだけですぐに理解できることがある。

 建物を3次元モデルで設計するBIMは、ウオークスルーやレンダリング、CFDなどのシミュレーションなど動きの要素が多いため、静止画や文章だけで説明しても理解度に限界がある。そこで、実物を見るのに近い効果を発揮する表現手法が動画だ。

 今回、紹介した動画はその一例だ。YouTubeにアップされている動画には再生回数が公開されている。なかには数千回も視聴されたものもある一方、手間ひまかけて作成したにもかかわらず、十数回しか見られていないものもある。

 その理由は、動画コンテンツだけをYouTubeや独立したコーナーとしてまとめられていることが考えられる。従来のウェブサイトから、該当する機能の操作説明動画などに細かくリンクを張るようにすると、再生回数も増えそうだ。最近、発刊された海外のBIM書籍には、2次元バーコード(QR)コードが随所に

 都市部で開催されるBIM関連のセミナーに参加できない人や、BIMソフトの機能や操作方法が分からない人にとって、動画サイトは時間や場所を気にせずに見られる便利で分かりやすい情報源だ。

 これまでBIM関連のセミナーの開催は、東京や大阪などの大都市圏が中心だったため、BIMへの関心や理解は大都市圏と地方とでは大きな温度差がある。あるソフトベンダーの代表は「BIMへの関心は、『東高西低』だ」と表現する。BIMの活用を地方へと広げていくためにも、動画の活用は今後、ますます重要になりそうだ。