BIMの最新動向をアーカイブ化
オートデスクは毎年、「Autodesk University Japan」というイベントを東京で開催している。数十トラックもCADやBIM関連のセミナーが開催され、国内外におけるBIM活用の方向性や将来の展望といった最新動向から、意匠や構造、設備などのBIMソフトの活用法、クラウドコンピューティングによるコラボレーションまで、国内外の講演者が発表する。
オートデスクは、自社で動画公開用ウェブサイトを開設し、これらのセミナー動画や当日配布された資料などを無料公開している。無料の登録さえすれば、セミナーの内容を動画で後からいつでも見ることができるのだ。
セミナーの内容を丸ごと記録しているため、動画の長さは1時間程度のものが中心だ。会場のスクリーンに映し出された画像と、講演者の声が音声として記録されているため、セミナー会場にタイムスリップしたような感覚で見られる。途中で分かりにくいところがあっても、戻って再生して確認できる。
筆者はこのイベントで、クラウドコンピューティング対応のCADソフト「AutoCAD WS」の建築・土木分野での活用法について講演した。当日はパソコンのトラブルで開始が10分間遅れたが、動画では講演開始以降が記録されているため、無駄な待ち時間もない。
セミナー参加のために交通機関を使わなくてすむため、環境にも優しく、いつでもどこでも見られ、セミナー会場の収容人数をはるかに上回る人数が視聴できる動画セミナーのメリットは大きい。
3次元CAD「MicroStation」などの開発・販売元であるベントレー・システムズは、YouTubeを使った動画によるオンラインセミナーを開催している。1月18日に同社のメール案内サービス登録者に案内されたのは、2011年12月6日に東京で開催された「Be Inspired Awards 2011ご報告セミナー」を録画したものだ。
ベントレー・システムズの米国本社では、毎年、同社のBIM製品などを活用しているユーザーを対象に「Be Inspired Awards」というコンテストを開催している。2011年は築40年の自社ビルを省エネルギービルに改装した新菱冷熱工業が特別賞を受賞した。
今回のオンラインセミナーでは、新菱冷熱工業の宮崎輝氏が「新菱冷熱自社ビル 省エネECO化プロジェクト」と題した講演を行った。このほか、国際航業とアジア航測がそれぞれ東日本大震災の被害調査で3次元レーザースキャナーを活用した事例についての講演もある。
試聴希望者は申し込み用のウェブサイトから名前や勤務先、メールアドレスなどを記入すると、URLがメールで送られ、後からでも動画が見られる仕組みだ。