最近、BIMモデルデータをiPadやアンドロイドのようなタブレット端末やスマートフォンといった手軽に持ち運べる携帯端末で閲覧できるシステムの開発が目立っている。
その一例が、BIM用の3次元CAD、「ArchiCAD」を販売するグラフィソフト ジャパン(本社:東京都港区)だ。同社は9月29日に発売する最新版、「ArchiCAD 15」に、「BIMx for iPad & iPhone」を搭載すると発表した。
ArchiCADのメニューから、BIMモデルデータをインターネット上のサーバーにアップロード。iPadやiPhoneにBIMモデルをダウンロードして、建物のBIMモデルを様々な角度から見たり、室内外を動き回る「ウオークスルー」したりできるようにするクラウド・コンピューティング・サービスだ。
8月下旬、東京で開催された記者発表会で、グラフィソフト ジャパンはこのシステムの試作版をデモンストレーションした。iPadの画面上でBIMモデルが非常にスムーズに、サクサクと動くことを示した。
同社では2代前の「ArchiCAD 13」で、ArchiCADがインストールされていないパソコンでもBIMモデルを開き、ウオークスルーなどができるBIMモデル内蔵型の閲覧用アプリケーション「Virtual Building Explorer(VBE)」を搭載した。
今回、開発したBIMxは、VBEを刷新したもので、パソコン用に加えてiPadやiPhone対応の閲覧用アプリケーションを追加したものだ。
BIMモデルを手軽に見られるようにすることで、施主自身による設計内容の確認や、工事現場における納まりや仕上げなどの確認、維持管理業務における活用など、BIMモデルの活用の幅を大きく広げることが予想される。
クラウド・コンピューティングと携帯端末、BIMモデルが連動することで、よりスピーディーでスムーズな建設プロジェクト関係者間の情報共有が行えることになりそうだ。