今回の建設IT注目情報 ~iPhone用アプリ「地震計-iSeismometer」~

 東日本大震災の余震が続いた影響で、地震が起こってもいないのに揺れを感じる「地震酔い」の症状を訴える人が急増しているそうです。

 揺れを感じたとき、本当に揺れているかどうかを確かめられると、少しは気持ちが落ち着くかもしれませんね。そんな人にお勧めなのが、iPhoneやiPad用の無料アプリ「地震計-iSeismometer」です。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、 iPhoneやiPadの
 
内蔵加速度センサー
 
を使って、水平2方向、垂直1方向の加速度波形を観測できるのです。

iTunestoreにある「地震計-iSeismometer」のページ(左)。ダウンロードして起動させたところ。手の振動による加速度波形が画面上に見える(右)(資料:アップル、写真:家入龍太)

 早速、iPhoneにダウンロードしてみると英語版のアプリでした。とりあえず起動させて机の上に置くと、「常時微動(平常時の小さな地面の揺れ)」と思われる振動でXYZの3方向の加速度波形がリアルタイムに表示されました。

 今度は余震が起こったときの波形を見てやろうと待ち構えました。そして3月23日の早朝、揺れを感じた直後にアプリを起動させると、余震の波形がiPhoneの画面に現れたのです。

常時微動(左)と3月23日の早朝に観測した余震の加速度波形(右)(写真:家入龍太)

 加速度波形は重力加速度の「G」を単位として、100分の1秒ごとに直近の20秒間分が記録されます。加速度記録のデータを取り出したいときは、メール送信用のボタンを押すと「CSV形式」のテキストデータがメールの本文に自動的に書き込まれます。

 そのメールをパソコン用アドレスに送信すれば、パソコンで加速度記録のデータを活用できます。例えば表計算ソフトを使って様々な解析やグラフの作成などが行えます。

データ送信ボタンを押すと、加速度データがCSV形式でiPhoneのメール本文に書き込まれ、そのまま送信できる(上段)。メールでパソコンに届いたデータを表計算ソフトにコピー・アンド・ペーストし、3成分の加速度波形グラフを表示させてみた(下段)(写真、資料:家入龍太)

 このほか、地震波の周波数成分を解析したり、無線LAN経由で加速度データをパソコンやサーバーに送ったりと、データ処理関係の機能も充実しています。さらに寝ているときに役立つ機能もあるのです。