今回の建設IT注目情報 ~ユビークリンク「通れた道路」~

 東日本大震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災した皆さまにはお見舞い申し上げます。

 道路の復旧が進み、津波で大きな被害を受けた太平洋側の被災地には、支援物資が続々と送られ始めました。正式な避難場所ではない病院などには、支援者が物資を集め、独自にトラックを仕立てて送る例もあります。

 復旧支援などで被災地に向かうとき、通れない道路はどこなのかを知っておくことは重要です。そこでユビークリンクは、クルマが走行した実績のある道路の情報を地図形式で提供するアンドロイドスマートフォン向けアプリ「通れた道路」を3月19日に無料公開しました。

 地図の作成は、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
カーナビゲーション
 
のGPS(全地球測位システム)情報を利用して自動的に行っているのです。

 同社が運営する携帯電話用ナビゲーションシステム「全力案内!」や、トヨタ自動車と共同運営する「G-BOOK全力案内ナビ」を積んだクルマが、地震発生の翌日である3月12日以降に走行した軌跡のデータを集めて道路地図上に表示したものです。

 クルマが通った軌跡は、ブルーのラインで示されます。ブルーでない区間はまだ通行実績がないため、通行不能の可能性が高いことになります。

 この地図はウェブサイトでも公開しています。3月23日現在、岩手県の盛岡市、北上市、宮城県の仙台市、福島県の白馬石山、相馬市、いわき市、茨城県のひたちなか市の各周辺地域について情報を公開中です。今後、公開エリアを順次、増やしていく予定です。

ウェブサイトで見られる「通れた道路」の地図。3月23日現在の仙台市周辺(上段左)、盛岡市集本(上段右)、ひたちなか市周辺(下段左)、いわき市周辺(下段右)(資料:ユビークリンク)

ユビークリンクのウェブサイト(資料:ユビークリンク)

 カーナビゲーションシステムのデータを使って、被災地の復旧支援ができるとは思ってもいませんでした。