今回の建設IT注目情報 ~三菱電機ビルテクノサービス「ファシリティ研修棟」~
ビルの設備を構成する空調ダクトや配管、配線は、天井や壁、床下といった普段見えない部分に設置されているため、なかなか全体を見ることはできません。
一方、最近は空調や照明、防犯などの様々な設備を統合的に扱うビル管理システムの導入が進み、設備全体を把握できる技術者のニーズが高まっています。
三菱電機ビルテクノサービスは、ビルの省エネや環境対策、セキュリティー向上などを実現する「ファシリティ事業」を拡大するため、東京都小平市にある同社の教育センターにファシリティ研修棟(地上5階建て、延べ床面積2931.95m2)を建設しました。
一見、普通のオフィスビルのような外観ですが、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
設備全体を見える化
した造りになっているのです。
研修棟全体を一つの顧客のビルと想定し、空調や給排水、衛生、消火などの設備機器を設置。通常は壁や天井などの裏に隠れているダクトや配管、電線などを露出させてあります。
配管やダクトは透明化や色分けし、配線や配管には行き先を表示し、建物内をどのように通って各機器がつながっているのかが分かる工夫を凝らしています。
ビル管理システムはコンピューターの画面から各機器を制御するのが普通ですが、この研修棟では画面上の操作によって各機器がどう動くのかを見ながら実習できます。実際のビルでは難しい火災や地震などの非常時における設備の操作訓練も可能です。
研修生が設計したビルの制御システムを実際の機器を使って構築し、動作を確認することもできます。さらに、将来の新製品や新技術の導入に対応できるように、配管スペースには余裕を持たせてあるほか、将来の増設に備えて鋼材やスリーブなども設置してあります。
ビル設備の理論と実際を学ぶためには、理想的な研修施設ですね。しかし、実際の現場条件は様々です。過酷な現場に耐える訓練を行う施設もあるのです。