今回の建設IT注目情報 ~気象工学研究所、京都大学防災研究所「ソラリオン」~
様々な電力源を地域内で組み合わせて使う「スマートグリッド」では、太陽光発電が普及するほど気象条件による発電量の変化が問題になってきます。
そこで、関西電力のグループ会社である気象工学研究所は、京都大学防災研究所と共同で関西各地の日照量を予測するシステム「ソラリオン」を開発。3月1日にウェブサイトで一般公開しました。
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
24時間後まで
の日射量を、1時間単位で予測できるのです。
日射量の予測には、風や気温の変化を物理学の方程式によって計算する「WRF」(ワーフ。The Weather Research and Forecasting)という数値モデルを使います。水蒸気や大気汚染、雲の分布などを独自に計算します。
いったい、どんなシステムなのかを体験するため、私はサイトにアクセスしました。
画面右上の「地図表示コントロール」という画面の表示時刻を切り替えると、その時刻の日射量を地図上に色分けして表示します。また特定の地点をクリックすると、その場所の日射量が「W/m2」単位の数値として得られます。
地図上の任意の地点をダブルクリックすると、24時間後までの日射量の変化がグラフで分かります。私が試したときは、日射量が大きいのは必ずしも高知市など南の地域ではなく、岐阜県の高山市や富山市の方が高い場合もありました。地域の気象状況を反映していることを実感しました。
現在は日射量予測技術のPRのため、一般公開しています。今後はデータを蓄積して精度の向上を図り、将来は電力会社での電力運用の参考情報としても生かしたいとのことです。
ソラリオンでは、自然地形による影の影響や、発生したばかりの小さな雲までを分析の対象にしています。そのため、各地域を細かく分割して日射量を予測できるようになっています。