今回の建設IT注目情報 ~フォーラムエイト「UC-1シリーズ」~

 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の手法で建物を設計したとき、異なるソフト間のデータ交換には「IFC形式」というBIMモデル用の世界標準規格を使う機会が増えました。

 IFC形式は建物の3次元形状だけでなく、柱や梁などの種別や材質などの属性情報も伝達できるのが特徴です。IAIという国際組織が1995年ごろから規格の策定を続けています。

 建築分野でBIMを活用する設計者の間ではポピュラーになってきたIFC形式ですが、土木分野では一部を除いてあまり知られていません。しかし、今後は普及が進む可能性があります。

 というのも、土木設計用の様々なソフトを開発・販売してきたフォーラムエイトが、
 
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
土木設計ソフトにIFC
 
形式のデータ出力機能を搭載し始めたからです。

 同社の土木設計ソフト「UC-1」シリーズのうち、「橋脚の設計 for Allplan」、「橋台の設計 Ver.9」、「BOXカルバートの設計 Ver.9」、「擁壁の設計 Ver.10」に、既に搭載しています。

 これらのソフトで自動設計した構造物のデータをIFC形式で保存した後、BIM用の3次元CADソフトなどに読み込むと、後は建物同様にBIMのワークフローに乗せて処理することが可能になるのです。

 現状では属性情報に鉄筋を含まないなど不完全な部分もありますが、今後、機能拡張で対応する予定です。建築分野で培われたBIMモデルのデータ交換ノウハウが、土木分野でも活用され始めたことは注目すべきことでしょう。

「橋脚の設計 for Allplan」でIFC形式のデータを出力(上段)。そのデータをBIM用CAD「Allplan」に読み込んだところ(下段)(資料:フォーラムエイト)

 IFC形式への対応は土木構造物の設計ソフトだけでなく、バーチャルリアリティーや耐震解析用のソフトでも始まりました。