今回の建設IT注目情報 ~オリンパス「工業用ビデオスコープ IPLEX YS」~

 築年数が古いビルやマンションで問題になるのが、配管設備の老朽化です。床下や壁の裏など、隠れたところに設置された配管の状況を、管の外側から確認するのは簡単なことではありません。

 そんなときは、逆に配管の内側から状態を調べる手もあります。例えば、オリンパスが11月10日に発売した工業用ビデオスコープ「IPLEX YS」を使う方法です。

 これは工業用内視鏡の一種で、先端に取り付けたカメラの映像を電送し、手元のモニター画面にリアルタイムで映し出すタイプのものです。

 外径は8.5mmで防水構造になっており、長さは30mもあります。そして先端部は
 
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
上下左右に湾曲
 

させることができるのです。

 そのため配管の曲がり部もスムーズに通過できます。湾曲させるための動力源としてはコンプレッサーのほか、専用の小型ガスカートリッジが使えます。

工業用ビデオスコープ「IPLEX YS」(写真:オリンパス)

 カメラに水滴やゴミなどが付いたときには、エアー吹き付け方式のレンズクリーニング機能で吹き飛ばせます。

 また、先端部にはレーザーダイオード光源による照明装置が付いています。光の減衰が少ないため、明るさは従来機の約2倍になりました。同社によると、工業用ビデオスコープとしてレーザーダイオード光源を採用するのは世界初とのことです。

 例えば水道管の元栓を閉めて蛇口を外し、そこからこの内視鏡を差し込むと、床下や壁の裏を通る水道管でも、内装材を外さずにチェックできるわけですね。

 まるで自分がミニチュア潜水艦に乗って水道管の枝管から本管までを、自由自在に“潜航”して検査しているような気分も味わえそうです。

内視鏡で見た配管内の画像(上段左)。先端部を曲げるための小型ガスカートリッジ(上段右)。内視鏡の先端。青矢印のようにエアーでゴミなどを吹き飛ばせる(下段左)。先端に搭載されたレーザーダイオード光源(下段右)(写真:オリンパス)

 さらに、配管検査をより精密に行える別売り機器も用意されています。