今回の建設IT注目情報 ~IAI日本「Build Live Tokyo 2010」~

 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の手法を使って、48時間で課題の建物を設計する仮想コンペ「Build Live Tokyo 2010」(主催:IAI日本)が、10月13日の午後6時から15日まで48時間にわたって開催されました。

 昨年に2回開催されたのに続き、3回目となる今年は、社会人を対象にした「実務クラス」のコンペのほか、学生を対象にした「学生クラス」も10月11日から15日まで、96時間にわたって行われました。

 実務クラスには過去最高となる8チーム、学生クラスは11チームが参加。「東京都八王子市に実在する用地に、人が集い、メディア芸術に触れ、子供たちの創造力をはぐくむ場となるメディア芸術センター」を設計するというのが、今回の課題でした。10月28日、東京・有明で審査結果の発表がありました。

 両クラスから優秀賞4チームが選ばれ、その中で争われた最優秀賞には、
 
ナ、ナ、ナ、ナント、
 
芝浦工業大学と大林組
 
をそれぞれ母体とする「ARI-30」と「SAFARI TOUR」の2チームが選ばれたのです。

 「ARI-30」は芝浦工業大学大学院(建設工学専攻)の衣袋研究室に所属する9人の学生で構成。一方、「SAFARI TOUR」は大林組とオーク設備工業の約25人で構成されました。

10月28日、東京・有明で行われた「Build Live Tokyo 2010」の審査結果発表。立ち見も出るほどの超満員だった会場(上段左)。封筒から最優秀賞の結果が記された紙を取り出すIAI日本の山極邦之さん(上段右)。最優秀賞を受賞した「ARI-30」のプレゼンテーション(下段左)。最優秀賞を受賞した「SAFARI TOUR」の代表者に審査員から手渡される賞状(下段右)(写真:家入龍太)

最優秀賞「ARI-30」の作品
芝浦工業大学大学院(建設工学専攻)の衣袋研究室に所属する大学院生9人で構成(資料:IAI日本)

最優秀賞「SAFARI TOUR」の作品
大林組とオーク設備工業の約25人で構成(資料:IAI日本)

 今回、初めての学生クラスに参加した各チームは、96時間という短時間にもかかわらず、見事な作品を作り上げました。また、実務クラスの参加チームの作品も力作ぞろいでした。

 とはいえ、審査員の一人、日建設計設計部門副代表の山梨知彦さんからは、「年々作品の内容は高まっているとはいうものの、まだまだ一般のデザインコンペと比べ、デザインの質は低いし、シミュレーションをきちんとデザインにフィードバックするといったBIMならではのデザインがなされていない」との厳しい指摘もありました。