今回の建設IT注目情報 ~日本ラッド「完全外気冷却方式の排熱型データセンター」~

 クラウドコンピューティングなど、インターネット上で提供されるサービスが増えるなか、多数のサーバーコンピューターを収容するデータセンターと呼ばれる施設が増えています。

 その大きな課題に省エネがあります。一般のデータセンターでは、サーバー本体で使用する電力と同等以上の電力を空調などに使っているからです。

 そこで日本ラッドは、国内初の「完全外気冷却方式の排熱型データセンター」を10月28日に東京都内で稼働を開始させました。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
空調機を使用しない
 
構造になっているのです。

「完全外気冷却方式の排熱型データセンター」の仕組み(資料:日本ラッド)

 コンプレッサーで冷媒ガスを圧縮し、膨張時に冷却するクーラー型の空調機は、大きな電力を消費します。同社によると、除熱効率が悪いとサーバーの中央演算処理装置(CPU)の温度が50℃を超えることも珍しくないとのことです。

 そこで、この排熱型データセンターでは、空気の流れを利用して効率的に除熱することにより、気温が32℃のときでもCPU温度を40℃に維持することができます。

 気温が高い真夏でも、既存のデータセンターよりCPU温度を低く保てるので、比較的気温が高い地域でもこの方式を採用することが可能です。

サーバー室の吸気側(左)とデータセンターの排気口(右)(写真:日本ラッド)

 空気を流すファンだけで冷却できるので、電力の消費量も相当、減りそうですね。ではいったい、どれくらいの省エネ性能なのでしょうか。