今回の建設IT注目情報 ~バーリントンアーキ社「BIMパーツ作成サービス」~

 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及に伴い、設計者の間では建材や家具などを3次元でモデル化した「BIMパーツ」のニーズが高まっています。

 しかし、実物の建材のBIMパーツはあまり出回っていません。必要に応じて設計者が作ることも多いですが、かなり手間がかかっているのが実情です。

 そこで、建材メーカー向けにBIMパーツの作成を請け負う企業が現れ始めました。BIM関連のソフトベンダーなどを精力的に訪問して、サービスを売り込んでいるのが、バーリントンアーキ社(Barrington Arch)でアジア地区マーケティング責任者を務める中宏之さん。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、同社の本拠地である
 
ニュージーランドから
 
来日して、セールス活動に励んでいるのです。

ニュージーランド・バーリントンアーキ社のウェブサイト(左)。日本語版も用意している。東京駅前に立つアジア地区マーケティング責任者の中宏之さん(右)(写真:家入龍太)

 同社ではRevit ArchitectureやArchiCAD、Microstation、Google SketchUpなど、様々なBIM関連ソフトに対応するBIMパーツを作成できます。

 各種建材や家具のほか、塗料や色素材のパーツ化も行い、各ソフトの「ライブラリー」として使いやすくしています。

 料金は様々です。例えば、照明器具10種類、寸法が様々なシャッター、ペンキ5000色をパーツ化したときのそれぞれのお値段は、「数千米ドルのオーダーで、納期は3週間くらい」(中宏之さん)とのことです。日本円に換算して数十万円といったところでしょうか。

 いったい、どんなパーツ作成の実績があるのか、見てみましょう。

様々なBIMパーツの作例(資料:バーリントンアーキ社)

シャッターやドアは開度調整用のパラメーターを内蔵させ、開閉するようになっている(資料:バーリントンアーキ社)

ニュージーランドの塗料メーカー向けに作成したArchiCAD用の色見本ライブラリー。2カ月で500件以上ダウンロードされたという(資料:バーリントンアーキ社)

 

 設計段階で図面に自社製品を載せてもらうことは、建設段階での受注にもつながるので、建材・設備メーカーはこれまでもCAD部品データをウェブサイトやCD-ROMなどで配布してきました。バーリントンアーキ社のBIMパーツは、これからの時代のマーケティングを意識した作りになっています。