今回の建設IT注目情報 ~グラフィソフトジャパン「ArchiCAD14」~

 グラフィソフトジャパンは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)対応の建築向けCAD、「ArchiCAD」の最新版「ArchiCAD14」を10月12日に発売することになりました。

 同社では最新版の発売に伴い、8月30日に記者発表会を開催しました。新製品の機能やコンセプトの説明に続き、行われたデモンストレーションの序盤に登場したのは、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、 ライバル会社であるオートデスクの
 
Revit Structure
 
だったのです。

 Revit Structureとは、BIM対応の構造設計用3次元CADで、オートデスクの意匠設計用CAD「Revit Architecture」の姉妹製品です。しかも、実際にRevit Structureを起動させてのデモには驚きました。

8月30日に開催された「ArchiCAD14」の記者発表会(上段左)。新バージョンのコンセプトを語るグラフィソフトジャパンのコバーチ・ベンツェ代表取締役社長(上段右)。ライバル、オートデスクの「Revit Structure」とのデータ連係デモも行われた(下段)(写真:家入龍太)

 わざわざライバル会社の製品まで登場させたのは、グラフィソフトジャパンが掲げる「OPEN BIM」というコンセプトを説明するためでした。

 このコンセプトは、「IFC」形式というBIMモデル用のデータ交換フォーマットを軸に、ソフト間のデータ互換性をよくすることが基本です。

 その結果、ArchiCAD14で設計した建物のBIMモデルデータを、他社のソフトに読み込んで構造設計や詳細設計、エネルギー解析、法規チェックなど、様々な業務をスムーズに行えるようになります。

データ互換性をよくすることより、他社のBIMソフトと連係しながら意匠設計、構造設計、設備設計の各業務を行う「OPEN BIM」のコンセプト(資料:グラフィソフトジャパン)

IFC形式により、構造設計用のBIMソフト「Tekla Structures」とのコラボレーションするイメージ(資料:グラフィソフトジャパン)

 そして記者発表の終盤、ライバルのオートデスクがあっと驚くようなツールの発表がありました。これもデータ連係と関係したものだったのです。