今回の建設IT注目情報 ~ニコン・トリンブル「DDS300掘削ガイダンスシステム」~

 情報化施工の普及とともに、3次元マシンガイダンスシステムの活用が増えています。このマシンガイダンス技術によって、バックホーなどで盛り土や切り土を施工するとき、「丁張り」と呼ばれる仮設の標識を使わなくても、オペレーターが仕上げ面の位置を確認できるようになりました。

 その仕組みは、3次元の設計データとGNSS(全地球航法衛星システム)などによる位置情報を組み合わせて、仕上げ面と重機の位置を運転席のディスプレー画面に表示する、というものです。

 ただ、システムが複雑なため、導入コストが高かったり、重機へのセッティングに時間がかかったりという課題もあります。

 そこでニコン・トリンブルでは、もっと手軽に3次元マシンガイダンスシステムのような作業性を実現できる新製品を発売しました。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
2次元で掘削ガイダンス
 
をするものなのです。

 この製品はSpectra Precision Laser「DDS300」(米国Trimble Navigation社製)というものです。運転席のディスプレーには、バックホーやミニショベルの側面図が映し出され、土を掘るバケットやそれを支えるアーム、バックホー本体につながるブームの動きがリアルタイムで分かるようになっています。

 丁張りや水糸の代わりにレーザー光線を使うと、レーザー光とバケットの先の距離もcm単位でディスプレー上に表示されますので、レーザー光を頼りに所定の深さに掘削できます。

 また安全に作業できる深さや高さを設定しておくと、その範囲を外れたときに警告音が鳴る機能も備えていますので、埋設管や電線などへの接触事故も防げます。

バックホーの運転席に設置したモニター(写真:ニコン・トリンブル)

バケットやアーム、ブームには角度センサーやレーザー受光器を取り付ける(資料:ニコン・トリンブル)

 一般的な3Dマシンガイダンスシステムの場合、設置に数日間かかることもあるようですが、このDDS300の場合はたったの1時間ほどで設置から調整までを終えることができます。その秘密は意外なところにありました。