今回の建設IT注目情報 ~東京、大阪の夜間BIMイベント~

 どんな名詞にも、「夜の」という形容句をつけると、ぐっと秘密っぽい雰囲気になりますね。最近、東京や大阪でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)に関連した「夜のイベント」が続々と開かれています。いったい、どんな秘密があるのか探ってみました。

 まずは7月9日の夜「関西BIM勉強会(仮称)」が大阪市内で開催した「第1回BIM勉強会&3D-CAD体験会」です。

 この勉強会は、関西のBIMユーザーやベンダー有志が「BIMの裾野を広める目的」で企画し、参加者層がこれまでと違っていました。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
学生が13人も参加
 
したのです。

 これまでのBIMをテーマにしたセミナーは、社会人を対象としたものがほとんどでした。

 一方、BIMに関心を持つ学生も増えてきたため、この勉強会は学生を対象としてBIMの概要から建築用3次元CADの操作体験、意見交換などを行いました。

 終了後、主催者に届いた参加者からのメールでは「BIMについての知識はほとんどなかったが、とても分かりやすく楽しかった」、「実務に近い状況で、学生同士でチームを作り、競争し合えるような集いがあればよい」といった前向きな感想が多数、寄せられました。

7月9日に関西BIM勉強会が大阪市内で開催した「第1回BIM勉強会&3D-CAD体験会」(写真:関西BIM勉強会)

 一方、東京・飯田橋では7月1日の夜、BIMソフトベンダーのグラフィソフトジャパンが「Graphisoft BIM カンファレンス2010」を開催しました。

 タイトルは仰々しいですが、こちらのイベントも学生や教職員を対象にしたものです。

 基調講演では、将来の発注者育成を目指した教育を行っている東京都市大学都市生活学部の山口重之教授が、文系である同学部の学生を対象にしたBIMの授業の成果などを紹介しました。

 BIMソフトはもとより、建築さえも初めてという学生が、びっくりするようなインテリアの3次元モデルを、楽しみながら作ったという話は、BIMや3次元設計をとても身近に感じさせるものでした。

 同じく基調講演を行った鹿島建築設計本部品質技術統括グループの玉井洋チーフは、建設の設計実務でBIMがどのように活用されているのかを話しました。参加した約50人の学生は社会人の話に熱心に耳を傾けていました。

7月1日に東京・飯田橋で開催された「Graphisoft BIM カンファレンス2010」(写真:家入龍太)

 昼間は講義や実習に追われている学生が平日に参加できる時間帯は夜しかないということで、これらのイベントは夜に行われています。

 一方、社会人を対象とした夜のBIMイベントも開かれました。