今回の建設IT注目情報 ~防災科学技術研究所「平成22年度橋梁耐震実験研究成果発表会」~

 防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターには、実物大の建物や橋脚などに地震動を作用させて破壊実験が行える「E-ディフェンス」という世界最大規模の震動台があります。

 この震動台で橋脚の破壊実験を行い、その結果をシミュレーションによっていかに精度よく予測できるかを競う「ブラインド解析コンテスト」(主催:防災科学技術研究所)が行われ、その結果が7月8日に開催された「第22回橋梁耐震実験研究成果発表会」で発表されました。

 参加した4チームのうち、優勝したのは、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、 ソフトベンダーの
 
フォーラムエイト
 
だったのです。

 実験に使った橋脚は、被害が発生しやすい橋脚基部を粘り強くするため、モルタルの中にポリプロピレン繊維を入れた「高じん性繊維補強モルタル」で造られました。そのためモルタルの強度は圧縮側だけでなく、引っ張り側にもあり、ひずみと応力の関係は複雑な非線形の形になります。

 2010年3月2日に、E-ディフェンスを使ってこの橋脚に地震動を加え、破壊実験を行いました。コンテストでは、そのときの橋脚上での応答変位などについて、シミュレーション解析結果が実測値にどれだけ近いかを競いました。

E-ディフェンスでの実験風景(左)とフォーラムエイトが作った解析用のモデル(右)(写真:防災科学研究所兵庫耐震工学研究センター、資料:フォーラムエイト)

表彰式の様子(左)。超満員の第22回橋梁耐震実験研究成果発表会の会場(右)(写真:家入龍太)

 では、優勝したフォーラムエイトチームのシミュレーション精度は、どれほどのものだったのでしょうか。