イエイリはここに注目した! ~最大変位、波形とも実験結果にそっくり~

 表彰式では、各参加チームの結果が紹介されました。フォーラムエイトチームのシミュレーション結果は、最大変位や波形が
 
実験結果にそっくり
 
で、講評した兵庫耐震工学研究センター長の中島正愛さんも「こんなに合うものか」と驚きを隠しませんでした。

 例えば、橋脚上の最大変位は橋軸直角方向で実験値が約190mmだったのに対し、シミュレーション解析では約163mm、橋軸方向では実験値の約356mmに対し解析値が303mmといった具合です。

 また、橋脚上の縦横の水平変位を合成した変位の軌跡や、最大変位などもよく合っていました。

橋脚上の変位の時刻歴。グレーの実験結果に対して、赤のシミュレーション解析結果がよく合っていることが分かる(資料:フォーラムエイト)

橋脚上の水平2方向の変位を合成した軌跡(資料:フォーラムエイト)

 高じん性繊維補強モルタルという力学的に複雑な材料を使っても、これだけの精度で結果を予測できるのはすばらしい解析技術ですね。シミュレーション解析技術は、日本の建設業が海外展開していくうえでの強力な武器にもなりそうです。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログは、http://www.ieiri-labo.jp/。ツイッターは、http://twitter.com/ieiri_lab