初出:「日経コンストラクション」2008年5月23日号
* 記事は原則執筆時の情報に基づいています。初出から2年が経過していますが、現在でも電子納品の基礎知識についての情報ニーズが高いことから、ケンプラッツで再掲載します(全12回・隔週木曜掲載予定)


 電子化されたデータは保管場所を取らず、検索や再利用が容易であるなどの利点がある。その半面、ハードディスクの破損などによって瞬時にデータが失われてしまう危険とも背中合わせだ。インターネットなどを介してコンピューターウイルスに感染し、データが消失したり漏出したりすることもあり得る。今回は、これらの危険に対して、パソコン利用者が容易に実施できる対応について説明する。

 電子化した成果品を納品する際には、必ずウイルスチェックを実施することが義務付けられている。しかし、実際の業務では、提出する成果品を作成するときだけウイルスをチェックすればよいわけではない。作業中のパソコンがウイルスに感染した場合、保管しているデータが破壊され、提出用の成果品が失われてしまう恐れがあるからだ。

 ウイルスチェックソフトは、ネットワークや記憶媒体から取り込まれるファイルを常に監視する機能もある。成果品作成用のパソコンだけでなく、すべてのパソコンにウイルスチェックソフトを入れておきたい。

 ウイルスチェックソフトのパターンファイルが最新であるかどうかの確認も欠かせない。パターンファイルとは、ウイルスを検出して駆除するための情報を登録したファイルのことだ。コンピューターウイルスは日々、新しいものが発生している。パターンファイルが最新の状態に更新されていないと、新しいウイルスをチェックできないこともある。

 重要なデータを誤って変更しないようにする対策も施しておきたい。変更する必要がないデータは、ファイルの属性を読み取り専用にすることで、うっかり変更してしまうことを防げる。ただし、読み取り専用にしておいても、削除は可能なので注意が必要だ。読み取り専用のデータを利用する際は、コピーしてから読み取り専用の属性を変更すればよい。

フォルダー上で右クリックし、「プロパティ」を選択。「読み取り専用」にチェックを入れて「OK」をクリックすると、「属性変更の確認」画面が出る(資料:NECソフト)
フォルダー上で右クリックし、「プロパティ」を選択。「読み取り専用」にチェックを入れて「OK」をクリックすると、「属性変更の確認」画面が出る(資料:NECソフト)

「このフォルダ、およびサブフォルダとファイルに変更を適用する」を選択すると、フォルダー内のすべてのファイルを読み取り専用に設定できる
「このフォルダ、およびサブフォルダとファイルに変更を適用する」を選択すると、フォルダー内のすべてのファイルを読み取り専用に設定できる